顎関節症とかみ合わせ

*顎だけの問題ではない
一般的に噛み合わせは「歯の問題」と思われがちですが、実は最も影響を及ぼすのは全身の歪みです。様々な分野から顎関節症の研究がなされているにも限らず、著しい進展がないのは、全身と顎の関連性を紐解こうとしないからです。
我々人間の体は、とても高度な連携運動を行っており、もはや顎と他の器官と関連性が無いと考える方が傲慢な話です。
では、一体どのように関連性があるのか述べてゆきたいと思います。
まず、顎そのものの動きは、耳の穴の前にある「顎関節」と呼ばれる部分で行われています。これにより、食べ物を食べたり話ができたりするわけです。
顎関節には、骨と骨とが直接ぶつからないように「関節円盤」という軟骨があります。正しい噛み合わせでは、様々な動きにおいても、この関節円盤は下顎の骨にきっちり乗っかっている状態ですが、顎関節症の方はそうではありません。動きの途中で位置関係が乱れながら動くのです。重度の場合は、安静状態(下顎安静位)でも位置関係がおかしくなります。
歯科で治癒可能な範囲というのは、全ての歯で最も沢山の面積で当たって噛み合わせた状態(中心咬合位)で、この関節円盤の位置が乱れる場合。
よって、歯の領域に問題がある場合は歯科の領域で解決できるわけです。
では、我々の整体ではどの部分を視野に入れて治すのかというのが本題です。


先程も触れましたが、顎関節は歯の当たる位置関係によって左右されます。しかし、本体的には更に奥深くに盲点になっていたものがあるのです。
上の図にあるように噛み合わせは、下顎だけの運動ではなく、上顎側の回転運動も合わさった複合型の動きなのです。従来は顎関節のみの運動と考えられてきましたが、大きな視点で観察してみると、噛み合わせの運動は後頭骨と頚椎の間に中心軸を持っていたのです。
何故顎関節症が源整院の整体で治るのかというと、歯科とは違った側面でかみ合わせ運動をとらえて、全身との連動性を調整するからです。この場合、この部分の関節を全身と調和するように調整します。
例えば、骨盤の歪みや、足首の関節のズレであっても、容易にこの部分の関節は正常運動範囲を失います。
ならば、歯や噛み合わせを調整するよりも先に、骨盤の歪みや足首のズレを治すことが先決であるのが道理です。何も悪くない部分をいくら治しても改善しないのは当然の結果によるものです。
他にも沢山例はあります。5年前に施術に訪れていた方が、口が急に開きにくくなったのこと。見てみると、確かに飴玉一つ口に入れるのすら大変そうでした。
そこで体の分析してみると、明らかに右の肺と左の肺の動きが違う。「肩こりや肩関節の痛みはないか」と伺ってみると「最近肩こりが酷い」という。これは、肩全体が肺に乗っている状態であるため、これだけ肺の動きに左右差があるとしたら、肩のバランスも悪く、自覚症状があるくらいだろうと思ったからです。
そして、呼吸運動のかなめでもある横隔膜を弛緩させる施術を行いました。施術を行って2日後、全く痛みがなくなったとのご連絡をいただきました。何故、横隔膜を施術することで顎関節症が治ったのかというと、横隔膜は頚椎部分から出る神経で動かされています。横隔膜の動き(肺の動き)が左右で不均衡であるということは、頚椎部分の不均衡が見られるということでもあります。
頚椎部分が歪むと、当然前記した「噛み合わせの動きの中心点」が乱れるわけです。
このように、さまざまな要因で噛み合わせの動きは全身の影響を受けます。また、足の裏の反射区と同等の関連性が認められます。あとはそれがどの症状と関連しているのかということだけです。
もちろん、腰痛や椎間板ヘルニアと顎関節症との関連性もありますし、捻挫と顎関節症との関連性もある。尾てい骨を打って、尾骨に制限があっても顎関節症になるのです。
当院では、全身を通じて顎関節症に対応しています。
