背骨のズレと整体/札幌源整院

放置された背骨

下の写真は、実際の人間の腰椎です。矢印部分は、腰椎そのものに変形が起こり、神経圧迫を起こしていた部位です。バリのようなもので、場合のよっては神経に刺さると痛みが発生します。この様に、背骨のズレを放置すると、経年に置ける環境適応で、骨そのものの変形が起こります。普段から、腰痛肩凝り座骨神経痛、腕や首の痛みを放置しておくと、この様な変形が起こりやすくなります。

これを「骨棘」と言います。樹木をイメージして下さい。強く風が当たりやすい斜面等では、風の応力に適応する様に、幹や枝の流れを、風から逃がす方向へと形を変えます。人間の体にも同じように、この適応能力があります。その結果出来上がるのが骨棘です。主に高齢者に多く見られます。脊柱管狭窄症という病名を聞いたことがあると思いますが、狭窄の原因の一つは、この外部応力への適応の結果起こる、骨棘によるものなのです。これらの発生を予防するためには、年齢に関係なく、背骨のメンテナンスが重要です。腰痛について詳しく説明したサイトはこちらをご参照下さい。

背骨のズレとは?

「背骨がズレる」という表現をよく聞きますが、これは一体どういった状態なのでしょうか?また、それを放置するとどの様な害があるのでしょうか?整体を上手く健康生活へ活用するには、それを知っているのと知らないのでは大違いです。ここでは、「ズレとは何なのか?」「症状が無くても整体を受ける理由」について、ご説明して行きたいと思います
いきなりですが、背骨は本来はズレません。しかし、一般的に「ズレ」という比喩を使う方が便利ですので、当院でも「あえてズレ」と呼んでいます。背骨に限らず、骨は運動器官の一つですから(他にも造血や臓器間メッセージ物質を放出する)、脊椎動物である以上、「動きがある=関節がある」というのが鉄則です。この関節内のニュートラルポジションは脳によって管理されており、安静状態(脱力状態)で「一定の位置」を保っています。また、関節は、筋肉の収縮運動(緊張と弛緩)によって動きます。ですから、筋肉の緊張により、関節はニュートラルポジションから逸脱し、弛緩によって再びニュートラルポジションへと戻るという繰り返しなのです。
ところが、様々な原因によって、関節がニュートラルポジションへ戻らなくなります。これがいわゆる「ズレ」と呼ばれているものです。よって、厳密にはズレの主語に値するものは、「関節のニュートラルポジションから(ズレる)」ということになります。

何故背骨はズレるの?

関節を動かすためには、筋肉を収縮する電気(神経伝達)が必要です。つまり、電源ONが筋収縮で、弛緩がOFFが筋弛緩。この電気は、脳から筋肉に対して、個別の電気配線(神経)を使って送電されます。だからこそ、それぞれの指がバラバラに動き、キーボードのタイピングをする事が出来るのです。しかし、一見バラバラに見えても、そうではない所があります。それは内臓の神経です。内臓の神経は、背骨の付近で骨格筋との連絡を持っており、内臓活動が異常を起こすと(異常電流が発生)、同じく比例して、筋肉にも異常活動(筋肉の緊張)がおこります。
この結果、筋肉が脱力した状態でも、内臓の電気に誘発されて、骨格筋にも異常な筋収縮(異常な電気または神経伝達)が残存してしまうのです。結果として関節のニュートラルポジションからは逸脱し、筋肉の凝り感や、関節の痛みという症状に繋がるのです。

ニュートラルポジションから逸脱したときの科学的所見
・関節の運動が一方向へ明確に消失する(ロックする)
・関節に付随する筋肉が緊張及び弛緩状態(弱化=ギックリ腰の原因になる)のままになる
・背骨では、左右の体表面温度に差が出る

これらの原因は全て、神経機能に異常が生じた結果起こるものです。詳細に付いては下記の動画で説明しています

ズレを放置しておくと老化する

関節のズレは、関節そのものの可動制限が起こります。この状態を放置すると、運動が行われない=血流が滞る=神経機能が衰えるという悪循環ループに入ります。骨格のズレは、短期的に痛みや凝り感だけの症状ですから、それ程問題視されません。しかし、長期となると、特に背骨付近の神経は、内臓との連絡を持っており、臓器の機能異常に繋がります。これが原因となって、病気への進行に至ることもあるのです。そういった観点からも、整体は未病に欠かせない健康ケアであると言えるでしょう。

ズレを解消する方法

関節のニュートラルポジションから逸脱させる原因は、筋肉への異常信号です。この筋肉の異常信号を解除する為には、神経機能の異常を発生させている原因部位を解消する以外に、根本的な解決方法はありません

神経機能異常を解除する方法
・骨格筋を緊張と弛緩を特殊な技法で整える(マッサージ、筋膜リリース等)
・内臓と連絡を持つ背骨を整える(カイロプラクティック、整体)
・内臓を手技で整える(オステオパシー、整体)

色々な手法がありますが、まず根本的には、内臓由来もモノは内臓へ、骨格由来のモノは骨格的にアプローチを行う方が自然です。その上で、当院は、内臓と背骨に焦点を当てて施術を行っています。