頭痛といえば、私の場合は二日酔いの記憶がよみがえります。それは、私がお酒に弱いからかも知れません。アルコールの分解物でもある「アセトアルデヒド」という物質が体内に溜まると、脳の血管が拡張され、頭痛を引き起こします。よって、このアセトアルデヒドの分解速度が遅い人がお酒が弱い人、つまりアルコール性の頭痛になる人です。
この様に、血管の拡張が頭痛を誘発するのは、なにもアルコールに限ったことではありません。一般的な頭痛も同じ原理が当て嵌まります。実はその昔、私は頻繁に強い頭痛を発症していました。ひとたびこの強い頭痛が発動してしまうと、嘔吐と悶絶、のたうち回るの繰り返しです。いつ嘔吐をするかわからないので、便器から離れられませんでした。頭痛になった時の対処法でよく聞くのが「水分補給」「睡眠」「薬を飲むしかない」です。しかし、私の場合はそれらを実践したところで、すぐさまキャッチ&リリース。水分補給も薬も無理、寝るなんて痛みが強くてなおさら無理でした。結局病院へ担ぎ込まれても特に対処法には変わりなく、点滴にて水分補給や痛み止め、制吐剤を投与されるのみでした。これらの事で一時的に解決しても、また再び襲ってくるあの痛み。根本的な解決方法もなく、ただただ我慢しかありませんでした。ただ耐えるのみ。思い出しただけでも鳥肌が立ちます(近年の頭痛の治療は痛みが出る前に薬物を投与する予防方法が確立しています)。
あれから十数年たちますが、自己整体のおかげであの酷い頭痛にはなっていません。私の場合、発症してしまったら何をしても治まらないので、予防が大切だと思います。その予防というのが、先ほどのヒント。
脳への血管走行は、頚椎と首の前面を通過して流れ込んでいます。この頚椎に歪みが生じたり、血管を覆う筋肉に緊張が起こると、脳へ到達する血流が減ったり、脳からの心臓に降りてくる血液が停滞し、結果的に脳内で膨張することがあります。そうなると一定のところで脳は緊急モードへ。これが頭痛のひとつの要因となっています。
私の頭痛の場合は、一度緊急モードになってしまうと、何をしても軽快することはありませんでした。中枢である脳がパニックになるわけですから当然のことです。こうなってしまうと、血管から送られて来るガスが不足して、脳が疲労を起こしてしまいます。ただ脳はその苦痛に耐えるのみ。でもそれを未然に防ぐことができる方法があるのです。
脳への血流を安定させる。これが頭痛持ちの私の攻略法でした。頚椎の歪み、血管を覆う筋肉の緊張、首の土台である肩・骨盤のバランス、これらを全て整える事が、私の頭痛攻略テクニック。そして今も当院へいらっしゃる多くの頭痛持ちの方々に貢献しています。
ちなみに寝違えについても同様なことが言えます。首は外気にさらされる事が多い部位でありながら、頚動脈、気管、食道、脳幹下部・脊髄が通る重要な部位です。特に脳幹は生命維持の中枢と呼ばれています。
脳幹の一部である延髄は、心臓中枢、血管運動中枢、呼吸中枢、嚥下中枢など生命維持に重要な中枢があります。某プロレスラーの必殺技で、延髄斬りというのがありました。上記の中枢部位を蹴る技です。この事を知っている人は、非常に危険な技だという事が分かります。
延髄の機能を一部注目してみると、心臓中枢、血管運動中枢とあります。先ほどご紹介した、頭痛の要因に合致します。脳がやられないように、首の筋肉を無意識に緊張させて防御していると考えられます。それが過緊張となり重疲労・循環低下・炎症で寝違いとなることがあります。
頭痛の予防は寝違いの予防にもなり、脳への適正な循環の維持・脳幹の機能維持にも大きな効果が期待できます。また、近年の一般的な頭痛の原因として言われているのが「女性ホルモンの分泌が不安定になる」ということです。ホルモンの不安定は更年期に頻発しますが、このホルモン分泌の安定という意味合いでも脳幹の機能を整えることは有効です。
当院の整体施術は、痛みのある場所だけではなく、体の生命機能の恒常性にも着目して施術を行っています。頭痛でお悩みでしたら是非ご来院お待ちしております。